ことば

2007年01月08日

人生初のインタビュー(2)~死は生が生んだ最高の発明品~

前回に続き、僕の好きな3つめの座右の銘について説明します。

最後の座右の銘は
「死はおそらく生が生んだ唯一無比の、最高の発明品だ(Death is very likely the single best invention of life)」

急に暗い話?と思うかもしれません。これはアップル、そしてToy StoryなどのDiseny映画で有名なPIXARの創立者のスティーブ・ジョブズの2005年スタンフォード大学の卒業式でのスピーチの一部です。

死というテーマは、誰もが避けたがる重いテーマですが、それを卒業式で語るジョブズは本当にすごい。しかも彼は死を最高の発明品だと言ってのけるんです。このスピーチで僕は初めて"死"という概念そのものをポジティブに捉えられるようになったんです。

きっと読者のみなさんも、このテーマについて1度は考えたことがあると思います。そして多くの人がそのテーマの重さ故に、いくら親しい友人であっても、そう簡単に口にする話ではないと思います。特に中学生の頃でしょうか。僕はこの正体不明の死という存在に悩まされ、考えても、考えても答えの出ない苦しい時間をすごしたのを覚えています。きっとこういう時期がみなさんにもあったのでは。

終わりがあるからこそその瞬間を大事にできる。死があるからこそ人間は今という人生を楽しめるのだと思います。死のない人生なんて、終わりのない夏休みの読書感想文のようなもので、そんな宿題誰もやるはずがない。夏休みに終わりがあるからこそ、夏休みをどう使おうか真剣に考えるし、その中でやらなきゃならない宿題をどうするか考えるのだと思います。

皆さんもご存知のとおり英語では締め切りをDead Lineといいます。締めて打ち切るなんて甘い言葉じゃあない。その一瞬を越えたら死んでしまって二度と戻ってこないものなんです。

自分が80、90歳まで生きる保証なんてない。明日突然なにかの事故で死ぬかもしれない。そう考えたら1日だって無駄にできないんです。

「試合への愛とは、毎回、全ての試合を最後の試合だと思ってプレイすることだ(Love for a game, is to play every game as if it was your last game)」

これもマイケル・ジョーダンの有名な言葉です。自分にとって最高の人生を送るには、毎日が自分の人生を最後の日だと思って生きる。それこそが自分の人生を愛することであり、自分の人生を楽しむことなのだと思っています。

もちろん、明日を生きるには、明日への少しの投資が必要です。やりたいことだけで一生を生きられないのも事実。だから勉強したり、仕事をしたりするわけですね。これが夏休みの読書感想文にあたる部分。その瞬間、読書感想文自体はつまらないものであっても、読み書きの技術を会得することは将来必要になることなのです。"やりたいこと"と、"やらなきゃいけないこと"のバランスをとらねばならないんですね。

しかしながら、人生をほぼ丸ごと楽しんでしまう方法が一つ。"やりたいこと"と"やらなきゃいけないこと"を一体化させてしまうことです。そうすれば、今日も、明日も楽しい。今のNBAのインターンは"やりたいこと"でありつつ、将来の夢を達成するために"やらなきゃいけないこと"でもあるのです。

死と向き合うこと、それは自分の人生をどう生きるかを真剣に考える機会を与えてくれました。自分の愛するバスケットに関わって生きいくこと、それが今日も明日も、そのまた次の日も、僕が幸せであるためには必要なことなんだ、そう思えるようになったのはスティーブ・ジョブズのスピーチのおかげです。

いつ死んでも後悔のない人生を生きる、それが僕の生き方です。

それでは今回は以上。次はまたインターン日記に戻ります。次回もお楽しみに。


日本のバスケをもっと良くしたい!b60606b0.gif

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2007年01月06日

人生初のインタビュー(1)~子供は成長するのを待ってくれない~

前々回、インタビューのことについて書くといっておきながら、すっかり忘れてました。

今回はシアトルスーパーソニックスのインターンがきっかけで、人生初のインタビューを受けた経験についてお話します。

書いていたところ、ついつい熱くなって長くなりすぎてしまったので、2回に分けてお伝えします。

Mixiのバスケットやスポーツマネジメントの掲示板でBlogの告知をしていたところ、一人の女性からメールをいただきました。なにやら日本で新しく雑誌を作るらしく、アメリカでの成功者にインタビューをする企画があり、ソニックスのインターンについて話をしてほしいとのこと。成功者なんて言葉はまだまだ恐れ多いけれど、自分にとってもいい経験になるのは間違いないので即オッケーしました。

その後数通のメールのやり取りを通じ、22日の勤務後、インタビューをしていただきました。

その雑誌というのも会報誌で、ジャパンバスケットボールアカデミーという団体がバスケットボールクリニックや、大会を行っているらしく、その会報誌創刊号に僕の記事を載せてもらえるということでした。バスケットボール関係者の視野を広げようということで、基本的にアメリカでバスケットボール関係者以外の成功者をインタビューするらしいのですが、第一回ということで特別例外ということでした。そのクリニックというのも、いわゆる完全無料のエンジェルクリニックではなく、参加者がしっかりお金を払って運営し、足りない部分はスポーンサーシップで補うというもの。こういう形態を受益者負担というのですが、持続および発展可能な組織という点で今後スポーツ界ではかなり重要な部分なので、今後別の機会に私見を述べたいと思います。なんにせよ、素晴らしい理念をもった団体であることは間違いないです。

まず、ソニックス前で写真を撮りたいとのことだったので、オフィス前でパチリ。カメラもかなり高そうなカメラで、本当にインタビューをされている実感が沸いてかなり興奮でした。

その写真のデジタルのデータをいただいたので、その一枚を載せておきます。

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夕食をご一緒した後、インタビューを受けることに。留学生活や、アメリカで学んだこと、インターンについてなど様々なことを聞かれたのですが、そっちのほうは機会があれば雑誌を読んでもらう事にし、一番ヒートアップしてしゃべってしまったことについて話します。

それは座右の銘の話です。

僕が大好きな座右の銘は3つあって、このBlog最初の投稿でも述べた、マイケル・ジョーダンの

「努力の量は問題ではない。やりぬく気質があるかどうかだ」

これは以前宮地さんとお話したことについての記事で十分述べたので、省略します。

今回は

「子供は成長するのを待ってくれない」

という座右の銘についてお話します。どの本で一文を見たのか覚えていないのですが、初めてこの一文を見たときは、かなり心を動かされました。一日でも、一秒でも早くバスケットボールを改革を進めなければならない理由です。スポーツは子供たちに夢を与え、努力の重要性、大切な仲間、様々なものを与えてくれます。その一方で少子化に伴う部活動の崩壊や指導者不足で、その良さを享受できない子供たちがたくさんいます。

かなり久しぶりにあった友人がこんなことを言っていました。

「俺が高校でのラグビーの先生に会ってなかったら、俺は落ちこぼれになっていただろう。中学時代の友達で、不良やヤクザになってしまった友達がたくさんいるんだ。ラグビーがあったから俺は今大学にいられる。将来は地元に帰って良き指導者になりたい。」

彼はスポーツ推薦で大学に入ったのですが、比較的恵まれた環境で育った僕にとって、この実体験に基づいた話は僕の胸に強烈に突き刺さりました。子供たちは成長するのを待ってくれないんです。もしスポーツの環境がもっと整っていて、そこに良き指導者がいたら、不良やヤクザになっていた彼の友人たちをもっと正しい方向に導けたかもしれないんです。環境に恵まれず、やる気や才能をつぶされていく子供たちは刻一刻と増えていきます。

そして子供だけじゃない、良きスポーツの未来を見られずに亡くなってしまう人もいるんです。日本にいた頃に障害者と健常者の交流を目的としたバリアフリースポーツ交流会という活動を行っていました。留学してしばらくたった8月にメンバーからの1通メールがありました。いつも交流会に参加してくれた障害者の方の一人が亡くなってしまったのです。その方は全ての交流会に参加してくれていて、いつも楽しそうにプレーしていました。いつもものすごく元気で、亡くなってしまったことが全く持って信じられませんでした。もし、亡くなる前にもう一度でも交流会を開催できていたら、もっともっとバリアフリーが大切な記憶として残っていたかもしれない。留学前に自分は本当に死力を尽くしたのか、それを自分に何度も問いかけました。きっともっとやれたんだと思います。自分の不甲斐なさ、戻ってこない時間、そして自分は人の人生に関わっているんだということを痛感した瞬間でした。

自分がやらなくても、誰かがやる。自然と少しずつバスケットは変わっていく、それは事実でしょう。しかし、今この瞬間にバスケットを楽しめる人を少しでも増やすため、50年かかる改革を自分が関わることによってそれを40年に、30年に、1秒でも早く変えなくてはならない。だから自分こそが先導して変えていくんだ、その気持ちが今の日々のモチベーションを支えてくれます。

読者のみなさんにもこのことは真剣に考えて欲しいと思います。日本のバスケが発展しなくていい日なんて1日たりともないんです。その行動はどんな小さなことだっていい。出身の学校に訪問してバスケを教えるのだって日本バスケ界にとって極めて重要な一歩です。

僕たちは常に走り続けなくちゃいけない。未来を創るのは僕たちです。そして子供たちに良きバスケットを遺せるかどうかも僕たち次第なのです。

今回はここまで。
次回はもう一つの座右の銘について書きますね!



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